理沙が今月末で店を辞めると告げると、更衣室で向かい合った彩名は、短く「わかったよ」とだけ答える。
月末の最終出勤日も、店は特別な飾りや告知もなく、いつも通りに営業していた。
理沙はステージに立ち、最近の曲をいくつか歌う。
最後にもう一曲を選ぶ場面で、彼女は「Vanishing」ではなく別の曲を歌い、静かな拍手の中でステージを降りる。
営業後、形式的な挨拶を終え、理沙は私物をまとめ、彩名と二人で店を出る。
夜の空気の中、二人は入口で立ち止まり、握手を交わす。
そこで理沙は、自分が最近「Vanishing」を歌わなくなった理由を彩名に問いかける。
彩名が阿久津を忘れられていないことを、理沙は分かっていた。
理沙は「もっと、いい人見つけなよ」と軽く告げる。彩名は何も言わず理沙に抱きつき、数秒後に離れる。
理沙は手を上げて別れを告げ、振り返らず駅へ向かって歩き出す。
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