ポケットの隅で丸まったメモみたいに
君のことばっか反芻してる
駅前のベンチに腰かけたら
今日の私を君は見たら笑うかなって思った
靴の裏についた埃みたいに
取れない気持ちを引きずってる
でも嫌じゃないのが ちょっと悔しくて
ため息もどこかあったかい
恋なんて しないつもりだったのに
君の名前がまだ胸で暴れてる
頬をなでる風にまぎれて
君の声が聞こえた気がしたんだよ
世界の影がゆっくり滲む瞬間
会いたい気持ちだけは誤魔化せない
コンビニの前の猫に目が合って
「うまくいってる?」って聞かれた気がする
うなずくほど単純じゃないけど
嫌になるほど君が浮かぶ
ひと駅歩けば気持ちも落ち着くかなって
思ったのに逆に苦しくなる
明日のことなんて知らんぷりして
君の笑顔だけ思い出す
連絡しない理由を探しても
会いたい時は会いたいだけだ
ゆるゆると心がほどけていく中で
君の名前だけがやけに強く光る
世界の端っこでひとりになる時間
それでも君を思い出すのがうれしい
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