息をすることさえ
夜に溶けてしまいそうで
答えのない重さを
胸に抱えていた
言葉を失くしたまま
膝をついたその場所で
誰に向けるでもなく
空を仰いでいた
それが祈りなのか
わからないまま
ただ この命が
続く理由を探して
目に見えない何かが
静かに触れてくる
壊れかけの心を
包むように
願いとも呼べない
小さな想いさえ
否定されずに
ここに在ると
教えられた気がした
風は冷たく
明日はまだ遠い
それでも 沈黙の中
微かなぬくもりがあった
それは答えじゃなく
救いとも違って
ただ「生きていい」と
許されるような感覚
声にならない想いが
空へほどけていく
誰に届かなくても
それでよかった
涙が大地に落ち
何かを育てるなら
この痛みさえ
祝福の中に
抱かれている
名前のない光
形のない導き
疑いながらも
私は そこに立っていた
崩れそうな今日を
生き抜いた その事実が
もう ひとつの答え
たとえ傷だらけでも
ここまで歩いてきた
そのすべてが
祝われていると
今 わかる
闇を越えた先で
空は静かにひらき
泥にまみれたままの
この命を
優しく照らしてる
私は ここにいる
それだけで
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