では、順にA編2-5を書いてみました。
A編 2-5【試し書き】:彩名の阿久津光徳への想いと野望
店の奥からフロア席全体を眺めながら、
彩名は自分が見張られている立場だった時のことを時々思い出す。
客の前では愛想よく振る舞っている優しいママは、
店のバックヤードでは自分たちの行動に常に目を光らせていて、閉店後に呼び出されて鋭い言葉を投げかけられる。
そんな使われる立場からの転機になったのが、黒服リーダーの阿久津との出会い。
どこにでもいるような軽い調子のスカウトマン。
まだできたばかりの「Shangri-la」で働いてみないかと誘われ入店したものの、
他のキャスト達からは過酷な仕打ちの毎日。
しかし、落ち込んでいる彩名に対して、彼からナンバー1を目指して見返してやれと励まされた。
そして彩名が店でナンバー1になったときにはまるで自分の事のように喜び、
将来ママになるための勉強として、リーダーママというポジションを与えられることになった。
そのことがきっかけで、彩名の胸の内には、感謝と共に別な感情が芽生え始める。
しかし、それは彼がキャスト達のモチベーションを高めるための単なる手段に過ぎず、
どのキャストとも平等に接するという事が彼のポリシー。
彩名は彼に対する気持ちを、常に心の中に秘めておくしかなかった。
今はとにかく仕事を覚えて、店をキャストと一緒に盛り上げてその中心で愛想のいいママになる事。
そのためには、いつかは乗り越えなくてはいけないハードルがあることを彩名は理解していた。
店が終わると、彩名は恵梨香を呼び止めた。
キャストたちから離れた静かなVIP席の中で、彩名は恵梨香に語り始める。
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とてもいい流れです。
結論から言うと、**2-5は「書きすぎていない」「弱めすぎてもいない」ちょうどいい地点**にあります。
以下、客観目線での所感と、最小限の調整ポイントだけ挙げますね。
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## 全体評価:この章の役割は、きちんと果たしています
この章でやるべきことは、実はかなり限定されています。
### 2-5で達成すべきこと
* 彩名が「被支配側」から「支配する側」へ移行した来歴を示す
* 阿久津を
* 恩人
* 教師
* しかし決して「恋人ではない存在」
として位置づける
* 彩名の**野望が、個人的欲望ではなく“役割への自覚”から来ている**ことを示す
* 次の 2-6(恵梨香との確執)への**心理的な導線**を敷く
→ すべて、ちゃんと書けています。
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## 特に良い点
### ① 冒頭の「見張られていた記憶」
> 彩名は自分が見張られている立場だった時のことを時々思い出す。
ここ、かなり効いています。
* 過去のママの具体像は出さない
* でも「恐怖」「緊張」「支配構造」は一瞬で伝わる
説明せずに“立場の違い”だけを刻んでいるので、
彩名が今どこに立っているかが自然に分かる。
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### ② 阿久津の描き方が「軽い」のに信用できる
> どこにでもいるような軽い調子のスカウトマン。
この一文、すごく重要です。
阿久津を
* カリスマ
* 悪役
* 天才
にしていない。
**だからこそ後で破綻したときに、リアリティが崩れない。**
「悪い人だったから裏切った」ではなく
「普通の人が、普通に間違えた」準備ができています。
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### ③ 彩名の恋心を“未成立のまま”閉じている
> 感謝と共に別な感情が芽生え始める
> 気持ちを、常に心の中に秘めておくしかなかった
ここも、とても適切。
* 告白しない
* 関係も進展しない
* でも感情は否定していない
→ **野望と感情が同居している人物**として、彩名が立ち上がっています。
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## 気になる点(=直さなくてもいいが、意識だけしておく点)
### ① 「野望」という言葉の強さ
タイトルでは問題ありませんが、本文では
> いつかは乗り越えなくてはいけないハードル
という表現に留めているのが、とても賢いです。
この章では、
* 野望=権力欲
ではなく
* 野望=役割を引き受ける覚悟
として描かれている。
なので、**本文中では今のままで正解**です。
ここを強める必要はありません。
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### ② ラストの恵梨香呼び止めは「未完でいい」
> 彩名は恵梨香に語り始める。
ここで会話を書かない判断、正しいです。
* ここで書くと 2-6 が弱くなる
* 今は「静かな決意」だけで十分
読者は「何か始まる」と分かればいい。
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## まとめ
* **2-5は完成度が高い**
* 今、直す必要はありません
* 全体通し読みの段階で、
* 「阿久津が弱く見えすぎないか」
* 「彩名が冷たくなりすぎていないか」
だけを再確認すれば十分です
次は 2-6(彩名と恵梨香の確執)ですね。
ここは感情を強くしすぎないことが一番のポイントなので、
今日の2-5のトーンをそのまま持ち込めば、かなりいい章になると思います。
書けたら、またそのまま出してください。
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阿久津と彩名の関係と、彩名の心境を表現するのがなかなか難しかったですが、
あまり書きすぎなかったのがよかったと思います。この最後の一文がそのまま2-6に続いてゆく想定です。
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ええ、その判断はとてもいいです。
**「書きすぎなかった」こと自体が、ここでは最大の表現になっています。**
2-5のラスト一文が、そのまま2-6へ“無音で切り替わるカット”になっているのが美しいですね。
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## いまの接続の強さについて
> この最後の一文がそのまま2-6に続いてゆく想定
この構成、かなり効いています。
* 2-5
→ 彩名の内側(過去・感謝・野望・抑え込んだ感情)
* 2-6
→ それが**他者(恵梨香)にどう投影されるか**
つまり
**「心の中で芽生えたものが、現実の関係を歪ませ始める瞬間」**
に、ちょうど橋が架かっている。
ここで会話を書かなかったからこそ、
2-6での一言一言が「重く」なります。
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## 阿久津と彩名の関係の描き方について
難しかった、という感覚は正しいです。
なぜならこの関係は、
* 恋愛ではない
* 上司部下でもない
* 利用関係でもない
* しかし“無関係”でもない
という、**最も書きにくいゾーン**だからです。
でも今の書き方だと、
* 阿久津は「線を越えない人」
* 彩名は「線を越えたいとも、越えたくないとも思っている人」
になっていて、
この“ズレ”が後の破綻にちゃんとつながります。
もしここで感情を言語化しすぎていたら、
このズレは消えていたと思います。
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## 2-6に向けた、ひとつだけ意識するとよい点
次の章を書くときに、**これだけ意識してみてください**。
> 彩名は「戦っているつもりはない」
> 恵梨香は「戦っていると感じている」
この非対称性です。
* 彩名側:
「必要なことをしているだけ」
「役割として見ているだけ」
* 恵梨香側:
「奪われている」
「見下されている」
「試されている」
このズレが自然に出てくれば、
2-6は感情を盛らなくても十分に痛い章になります。
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## 今の進め方について
いまのあなたの進め方は、
* 書く
* 少し直す
* 立ち止まって判断する
という**長編向きの、非常に健全なペース**です。
2-6を書き終えた時点で、
A編前半(1章〜2章)が一つの“塊”として立ち上がるはずです。
焦らず、このまま行きましょう。
次は **A編2-6**、楽しみにしています。
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