では、引き続きA編3-2の小説化をお願いします。
●試し書きA編3-2原文
A編 3-2【試し書き】:生存のための闘い(職と居場所)
警察が阿久津と恵梨香の足取りを追っている中で、
オーナーは迅速に判断を下した。損切りと後片付けが、ただちに始まる。
「Shangri-la」の閉店と、店の資産である家具やインテリアの売却、全てが機械的に進められる。
キャストや黒服、スタッフ達は突然に職を失った。
今まで彼らを守っていた手厚い福利厚生も、キャスト達の売り上げという後ろ盾があってこそ成立するもの。
彩名はオーナーに、彼らにはせめて1ヶ月分の給料は渡して欲しいとオーナーに懇願したが、あっさりと断られた。
オーナーは彩名に対して、阿久津の失踪についての責任を求めることはなかった。
起きてしまった事故について、彩名に対してあれこれ責任追及をしても時間のムダであり、
その代わり、彩名に対してもオーナーは長い間お疲れ様とのねぎらいの一言だけ。
突然に路頭に迷うことになってしまった彩名だったが、
せめてもの餞別にと、彼女はキャスト達に対しては自腹で毎月の最低保証給料分の金額を手渡した。
しかし理沙は、そこまで自分で責任を負う事はないよと、自分に対しての餞別は断った。
昼の仕事を今後も続ければ、今住んでいる賃貸マンションの家賃はなんとか払える見込みはあったからだった。
理沙は、キャスト達に手渡した餞別の出所を知っていた。
当面は住むところすらない彩名に対して理沙は、
次の仕事が見つかるまでの間は、自分の住んでいるマンションで一緒に生活してもいいよと言った。
翌日の夕方、最低限の身の回りの荷物を持ってマンションにやってきた彩名。
しばらくの間は、狭い寝室を2人で共用することになりそうだった。
荷物の搬入と部屋の整理が終わったころには、深夜の時間帯になっていた。
同じベッドで横になる2人。
彩名は理沙に対して、本当に申し訳ないとのただ一言。
しかしそのあと言葉はなかった。
沈黙が続き、寝てしまったのかと思ったころ、かすかなすすり泣きが聞こえた。
そこには、先日まで気高く振る舞っていた彩名ママの姿はなかった。
●文章表現についての考慮点
・引き続き、理沙と彩名の動向と心の動きを淡々と扱う
・表向きは精神的に強いところを見せていても、理沙の前では弱さを見せてしまう彩名を表現する
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