001_15_執着の結果(阿久津)【あらすじ】

阿久津は「Shangri-la」の黒服リーダーとして、フロア全体を見渡し、彩名の指示を受けながら店の流れを支えていた。
誰か一人に寄らず、特別扱いせず、距離を保つことが店を安定させる方法だと考えていた彼にとって、恵梨香も最初は他のキャストと同じ存在だった。
派手さはないが、無理なく場に馴染み、崩れない均衡を持つ恵梨香は、やがて指名を増やし、店の中心になっていく。
阿久津はその姿を見ているうちに、客前ではない彼女の力の抜け方や沈黙、視線の置き方に引っかかるものを感じ始める。
自分では同じ距離を保っているつもりでも、そのわずかな差に恵梨香も気づき、二人の間の均衡は少しずつ崩れていく。
彩名に知られる日が来ると分かっていながら、阿久津は止まらなかった。
やがて一線は曖昧なまま越えられ、すべてが崩れる。
最後に阿久津は、南米の小さな空港で、戻る場所を失ったまま静かに座っていた。



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