営業後、彩名はママに呼ばれ、VIPルームへ向かう。
静かな室内で向かい合ったママは、最近の彩名の数字や接客の変化を評価し、このままいけば店を引っ張る側に回れると告げる。
それは単なる褒め言葉ではなく、彩名がこの店で上に立つ側へ進む可能性を示すものだった。
彩名はその意味を理解しながら、黙って受け止める。
しかしママが「その上で」と言葉を続けた瞬間、彩名の中に過去の光景がよみがえる。
Shangri-laのVIP席で、かつて自分が恵梨香に遠回しな警告をした時のこと。
恵梨香は理解しながらも受け取らず、その後、阿久津との均衡は崩れ、二人は消えていった。
今、彩名は同じような距離と構図で、ママの前に座っている。
かつて警告する側だった自分が、今度は警告を受ける側にいる。
そのことを理解しながら、彩名は視線を外さず、ママの次の言葉を待つ。
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