交通管制センターで働き始めて一か月。
理沙は週の多くを夜勤で過ごし、機材搬入やコンソール設置、ケーブル接続など、新しい監視制御センターの構築作業に追われていた。
もとは倉庫だった広い空間には、少しずつ機材が入り、壁面ディスプレイや操作席が形を成していく。
深夜0時の休憩では、作業員たちがほとんど会話もなく黙々と食事をとり、夜勤独特の静かな空気が流れる。
やがて作業は接続試験やログ確認へ進み、理沙も東京でのシステム経験を生かせるようになる。
時折、二つ上の現行オペレーションルームを訪れると、事故情報や警告に対し、オペレーターたちが慌てることなく整然と対応していた。
上では現在の交通システムが動き続け、二階下では次のシステムが静かに形になっていく。
その中に、理沙自身の仕事も少しずつ組み込まれ始めていた。
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