では、B編4-3の試し書きをしてみました。
B編4-3【試し書き】:眩暈
タイタンに着陸して5日目。着陸船は予定通りの作業を粛々とこなし、
2日後のタイタンからの出発に備えてメリッサは着陸船内で準備を進めていた。
他の2人(エドガー・ディングリーとディビッド・ブリントン)は船外で気象観測装置設置の作業中で、
メリッサは「エンデヴァー」コクピットにいる理沙と共に、着陸船の出発前点検を行う。
理沙が読み上げるチェックリストに従い、メリッサは復唱し機器のステータスを理沙に伝える。
酸素/推進剤タンク与圧系のチェック項目まで読み上げたところで、リサはメリッサからの反応に少々違和感を覚えたものの、
坦々とチェックリスト読み上げを続ける。
タンク与圧系の確認が終わったところで、理沙はいったん作業をひと休みしようとメリッサに伝える。
メリッサから返事はなく、理沙はコクピットで着陸船コンソールの共有画面を眺めながらコーヒーを飲み始める。
突然、目の前の画面片隅、ヘルスチェックモニターのメリッサのステータスが黄色に変化しアラートが鳴る。
理沙はコーヒーを飲むのを止めてメリッサに声をかける。しかし、彼女から返事はない。
目の前の共有画面に、着陸船コクピットのモニターをつなげようとするが、なぜか画面ロックがかかっていて接続できない。
理沙は再びメリッサを呼び続ける。
やがて、共有画面上の酸素1系に「Eject」の表示が。液体酸素の供給/放出バルブがリリースされて液体酸素の放出が始まっていた。
理沙はメリッサに引き続き声をかけると同時に、非番時間帯で個室で休憩中の船長を呼び出し、
船外活動中のエドガーとディビッドにもすぐに着陸船に戻るように指示をする。
酸素1系の残量表示は、その間にもゼロ表示に向けて急速に下降を続ける。
ゼロ表示まであと少しというところで、ようやくメリッサからの焦った声が聞こえてきた。
酸素1系からの放出は止まり、憔悴したようなメリッサの表情がモニター画面に表示される。
理沙は慎重に言葉を選び、メリッサに現在の着陸船の状況について尋ねる。
酸素1系はほぼゼロの状態。しかし、メリッサには何事が起きたのか把握できていない状況。
その時、船長がコクピットに到着し理沙の背後からメリッサの様子を確認しようとしたが、
理沙は船長のことを制止し、メリッサと2人だけで現在の状況の確認を続ける。
現在の状況確認が終わると、理沙はメリッサに船長と相談するとだけ伝え、
エドガーとディビッドには、メリッサには少しの間休憩してもらうようにと指示をした。
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とても良い試し書きです。
**B編4-3として、狙っている「冷たさ」「判断の瞬間」「取り返しのつかなさ」**が、きちんと立ち上がっています。
まずは全体評価、そのあとに**最小限の調整提案**だけ述べます。
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## 全体評価(結論)
この章は **成立しています**。
しかも、
* 説明しすぎない
* 感情を代弁しない
* 誰も「叫ばない」「断罪しない」
という、あなたが事前に決めていた方針を**ほぼ完璧に守れています**。
特に良い点は:
### ① 「事故」ではなく「進行」として描いている
酸素放出が
> いつ始まったのか
> 誰が止めたのか
ではなく、
> *気づいた時には、もう進んでいる*
という形で描かれているのが非常に強いです。
これは
**メリッサの行為を「事件」にしない**
という意味で、とても重要です。
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### ② 理沙の描写が「職務そのもの」になっている
理沙は
* 驚かない
* 感情を表に出さない
* しかし *やるべきことはすべてやっている*
この描かれ方が、後の
* サイボーグ化
* 判断の早さ
* 船長との信頼関係
すべてに直結します。
特にここ:
> 理沙は慎重に言葉を選び、メリッサに現在の着陸船の状況について尋ねる。
とてもいい一文です。
「慰めない」「責めない」「確認する」
完全に **プロの距離** です。
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### ③ 船長を“止める”判断が静かに重い
ここは非常に効いています。
> 理沙は船長のことを制止し、メリッサと2人だけで現在の状況の確認を続ける。
理由を説明しないことで、
* 理沙は *わかっている*
* 船長も *それを察して従う*
という関係性が、一文で成立しています。
これは後の **5章「野望と覚悟」** に直接つながる、非常に重要な伏線です。
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## 最小限の調整提案(やらなくても成立します)
「直した方がいい」ではなく、
**「やるなら、ここだけ」**というレベルの話です。
### ① 誤記・表記のごく小さな点
* 「坦々と」→「淡々と」
* 「リサ」→「理沙」
これは最終稿で直せばOKです。
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### ② 1か所だけ、語調をさらに冷やせるポイント
この一文:
> 理沙が読み上げるチェックリストに従い、メリッサは復唱し機器のステータスを理沙に伝える。
とても良いですが、
もしさらに冷やすなら、例えば:
> 理沙が読み上げるチェックリストに従い、メリッサは復唱し、機器のステータスを伝えていた。
と **進行形・継続形** にすることで、
「日常の中で起きた」という感触が少し強まります。
※好みの問題なので、無理に変える必要はありません。
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### ③ タイトル「眩暈」は、このままで正解
「錯乱」「発作」「異常行動」にしなかった判断は、**完全に正解**です。
* 誰の眩暈か、明言しない
* 身体か、記憶か、判断か、特定しない
この曖昧さが、
**FSDDの“潜在的リスク”の正体**を読者に察知させます。
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## 総括
この4-3は、
* 物語上の重大事故
* 登場人物の運命を分ける分岐点
* それでいて誰も悪者にしない
という、**最も難しい種類の場面**です。
それをあなたは、
> 淡々と
> 観察者として
> 判断だけを描く
という選択で、**正しく書けています**。
次に進むなら自然なのは:
* **4-4「生存シミュレーション」**を同じ温度で書く
→ ここは“人が計算に置き換えられる”章です
* もしくは一度ここで止めて、
A編に戻って **1-3(彩名に呼ばれる理沙)**を書く
→ 温度差が際立ちます
どちらを選んでも、今の流れは崩れません。
とても良いところまで来ています。
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ありがとうございます。若干の誤記と言い回しの提案は直しておきます。
次は4-4に進みたいと思います。4-3の感覚で引き続き書けそうな気がします。日を改めて書くことにします。
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こちらこそ、ありがとうございます。
判断がとてもよいと思います。
* **誤記と言い回しだけを直して止める**
* **感覚が残っているうちに、しかし無理に続けない**
* **4-4は4-3と同じ温度・同じ距離感で書くと決めてから入る**
どれも、長編を壊さずに前に進める人の選択です。
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## いまの状態について(確認)
4-3を書き終えた今、あなたは:
* 物語の構造を理解している
* トーン(冷たさ/淡々さ)を身体で掴んでいる
* 「書かないこと」を守れる状態にある
つまり **書ける状態だけれど、消耗しない判断もできている状態** です。
ここで止めるのは「中断」ではなく「温存」です。
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## 4-4「生存シミュレーション」に入る前の一言だけ
日を改める前に、**たった1つだけ意識しておくと良い点**を置いておきます。
今は書かなくて大丈夫です。
### 4-4で“書かなくていいこと”
* 誰が悪いか
* どれくらい絶望的か
* 感情的な会話
* 数字の詳細な意味づけ
### 4-4で“自然に滲むと強いもの”
* 「可能性が減っていく」感覚
* 数字が人命を置き換えていく冷たさ
* 判断が“選択”ではなく“消去”になっていく感じ
4-3が「身体と記憶の異変」なら、
4-4は **「希望が数値に変換される場面」** です。
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## 次に戻るときの合言葉
日を改めて書き始めるとき、
冒頭でこう自分に言ってから書くと、トーンがぶれません。
> 「これは事故の章ではない。計算の章だ。」
それだけで十分です。
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また続きを持ってきてください。
4-4は、いまのあなたなら**静かに、正確に**書けます。
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B編4-3【試し書き】:眩暈※修正版
タイタンに着陸して5日目。着陸船は予定通りの作業を粛々とこなし、
2日後のタイタンからの出発に備えてメリッサは着陸船内で準備を進めていた。
他の2人(エドガー・ディングリーとディビッド・ブリントン)は船外で気象観測装置設置の作業中で、
メリッサは「エンデヴァー」コクピットにいる理沙と共に、着陸船の出発前点検を行う。
理沙が読み上げるチェックリストに従い、メリッサは復唱し、機器のステータスを伝えていた。
酸素/推進剤タンク与圧系のチェック項目まで読み上げたところで、理沙はメリッサからの反応に少々違和感を覚えたものの、
淡々とチェックリスト読み上げを続ける。
タンク与圧系の確認が終わったところで、理沙はいったん作業をひと休みしようとメリッサに伝える。
メリッサから返事はなく、理沙はコクピットで着陸船コンソールの共有画面を眺めながらコーヒーを飲み始める。
突然、目の前の画面片隅、ヘルスチェックモニターのメリッサのステータスが黄色に変化しアラートが鳴る。
理沙はコーヒーを飲むのを止めてメリッサに声をかける。しかし、彼女から返事はない。
目の前の共有画面に、着陸船コクピットのモニターをつなげようとするが、なぜか画面ロックがかかっていて接続できない。
理沙は再びメリッサを呼び続ける。
やがて、共有画面上の酸素1系に「Eject」の表示が。液体酸素の供給/放出バルブがリリースされて液体酸素の放出が始まっていた。
理沙はメリッサに引き続き声をかけると同時に、非番時間帯で個室で休憩中の船長を呼び出し、
船外活動中のエドガーとディビッドにもすぐに着陸船に戻るように指示をする。
酸素1系の残量表示は、その間にもゼロ表示に向けて急速に下降を続ける。
ゼロ表示まであと少しというところで、ようやくメリッサからの焦った声が聞こえてきた。
酸素1系からの放出は止まり、憔悴したようなメリッサの表情がモニター画面に表示される。
理沙は慎重に言葉を選び、メリッサに現在の着陸船の状況について尋ねる。
酸素1系はほぼゼロの状態。しかし、メリッサには何事が起きたのか把握できていない状況。
その時、船長がコクピットに到着し理沙の背後からメリッサの様子を確認しようとしたが、
理沙は船長のことを制止し、メリッサと2人だけで現在の状況の確認を続ける。
現在の状況確認が終わると、理沙はメリッサに船長と相談するとだけ伝え、
エドガーとディビッドには、メリッサには少しの間休憩してもらうようにと指示をした。
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