では、引き続きA編3-1の小説化をお願いします。
●試し書きA編3-1原文
A編 3-1【試し書き】:裏切られる(店・金・信頼)
「Shangri-la」ではその後も淡々とした日々が続いていた。
恵梨香のナンバー1の立場は確固としたもので、他のキャストからは常に憧れのような存在。
しかし、そのことが他のキャストとの間での確執に発展することはなく、
いつかは目指すべき目標として、他のキャストたちの良い意味でのモチベーションになっていた。
そんな中で、理沙は着実に実績を伸ばしていた。
まだナンバー1には遠く、毎月の売り上げ実績では5位から10位の間が定位置になっていたが、
ある日、理沙は店のオーナーから特別賞を頂くことになった。
昼の仕事があるので、理沙は店での出勤日は週3日に制限しているのだが、
週5日出勤の恵梨香と比較し、一日当たりの平均値では恵梨香に迫る金額を稼いでいた。
彩名からは、もう昼の仕事はやめて週5日出勤にしたらどうかと勧められたが、
「Shangri-la」での給料と比較して安い金額ではあるものの、技術を身につけること、
社会での様々な仕事経験をしたいという思いもあり、理沙は引き続き週3日勤務を続けることにした。
給料日の朝、理沙はいつものように自分の口座に給料が振り込まれているか確認する。
しかし、いつものように給料が振り込まれていない。
何があったのだろうと彩名と会話しようと思ったところ、彩名からメッセージが入ってきた。
開口一番、彼女は店の口座にまったくお金がないと、憔悴した状態。
とりあえず会社には急用があって休むとだけ伝えて、理沙は「Shangri-la」へと向かう。
店では、彩名が店の口座情報を確認しながら銀行の担当者と会話を続けている。
並行して、オーナーへの状況報告。
何か手伝えるわけではないものの、理沙は彩名の指示の下でキャスト達や黒服達への連絡役を引き受けた。
しかし、恵梨香と黒服リーダーにはなぜか連絡が取れず、理沙は背筋に冷たいものが走るのを感じた。
そのことを彩名に伝えると、彼女の表情はさらに険しくなった。
オーナーからは、中国本社への送金ができないとのプレッシャー。
キャスト達に対しては、給料の振り込みができないという申し訳ないという気持ち。
仕入れ業者への支払いもできないという3重苦に加えて、恵梨香と黒服リーダーと連絡がとれないという非常事態。
このような事が可能な人物は、彩名以外にはただ一人しかいない。
しかし、彩名はその結論を受け入れる事ができずにいた。
●文章表現についての考慮点
・2章から空気が変わり、徐々に状況が過酷になってゆく。
・とはいえ、理沙と彩名の動向と心の動きを淡々と扱う
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