2.「エンデヴァー」船内の風景
「エンデヴァー」の中央連絡通路は、船体後方から前方に向かってまっすぐに伸びている。壁面には必要最低限の表示灯が等間隔で配置され、
白い光が均一に通路を照らしていた。足音はない。空調のエアフローが静かに循環し、微かな機械音だけが空間を満たしている。
通路の両側に並ぶハッチはすべて閉じられており、人の気配は感じられなかった。
通路の先にあるコクピットは、広くはないが整理されている。船長席とパイロット席が並び、その正面には複数のディスプレイパネルが配置されている。
表示は一定のリズムで更新され、数値やステータスが淡々と切り替わっていく。システムは低い音量でチェックリストを読み上げていたが、
その声は抑制され、空間に溶け込んでいる。ここにも人はいない。
居住区画では、いくつかの個室に灯りが入っている。扉の向こうでは、数名の作業員が休憩しているか、横になって眠っている。
会話はなく、物音もほとんどしない。個室の区切りは明確だが、完全に遮断されているわけではなく、空調の音だけが共通して流れている。
船体後方に位置する中央制御室には、いくつかの制御パネルと小さな椅子が並んでいる。操作が行われていないため、表示は最小限に抑えられている。
ここにも人影はなく、機器は待機状態のまま静かに稼働していた。
さらに奥の無人探査機格納庫では、一人の作業員が探査機の外装に部品を取り付けている。工具の動きは慎重で、音はほとんど立てない。
周囲には他の人影はなく、空調のエアフロー音だけが変わらず流れていた。